2-5 2020年に向けて知っておきたい今後の日本バスケの主役候補

■ 2020年に向けて期待したい日本の若手を紹介

これから日本のバスケットボール界は2020年の東京オリンピック(まだ出場は決まっていませんが。。)を1つの節目に盛り上がっていくでしょう。そこで、これからの未来が明るい若手選手の注目株を紹介したいと思います。

 

★★★★★
・八村塁(1998年2月8日生まれ) 203cm
→ご存知日本バスケットボール史上最高の逸材。ベナン人とのハーフ。
ゴンザガ大入学、マーチマッドネス準優勝ときて、ここからどこまでいけるか期待。弱点を挙げるとすればスピードか。
U19の世界大会でもその実力を世界に示し、改めて2018年のNBA入りが近づいている。。

 

★★★★
・渡辺雄太(1994年10月13日生まれ) 206cm
→まだ八村がアメリカで本格的なプレイをしていない(出場時間が限られていた)中では、アメリカのNCAAで史上最高の実績を出している選手。去年と同様GW大(NCAA一部)で主力として迎える今シーズン次第(4年目)はかなり大事。
NBAのドラフトにかからなくてもDリーグなりでNBA入りを目指して欲しい。
サウスポーというのも良い。日本の未来に欠かせない選手。yutaを田臥から奪えるか。

 

★★★
・馬場雄大(1995年11月7日生まれ) 195cm
→大学生ながら日本代表に定着しつつある逸材。大学NO1プレイヤー。
身長は少し物足りないが日本人離れした身体能力は必見。八村と同じ中学という奇跡。
今期から加入するBリーグアルバルク東京でどこまでやれるか。

 

・テーブス海(1998年9月17日生まれ) 186cm
→元SR渋谷のテーブスコーチの息子でカナダ人とのハーフ。
NCAA一部入りを目指し東京屈指の名門京北を中退し渡米。
プレップスクールを経て見事NCAA一部の大学から複数スカウトがきている。

 

シェーファーアヴィ幸樹(1998年1月28日生まれ) 203cm
→バスケ歴は浅いものの、恵まれた体格と身体能力で注目の選手。(ハーフ)
八村と同世代でU19でも活躍。日本代表候補にもその後入った。
テーブス海同様NCAA一部入りを目指し渡米中。

 

★★
・榎本新作(アイザイアマーフィー) (1998年4月10日生まれ) 194cm
→沖縄生まれ、アメリカ育ち。現在アメリカのコミュニティカレッジでプレイする大型ガード。U19日本代表に呼ばれ、一定の活躍をしたことで一気に注目が高まっている。将来有望な選手。

 

・田渡凌(1993年6月29日生まれ) 180cm
→田渡兄弟の三男。アメリカNCAA2部を経て今年から東京オリンピックを目指しBリーグ横浜ビーコルセアーズへ。学生時代はスラッシャーとして無双だったがBリーグでどれほど通用するか。

 

・角野亮伍(1996年6月14日生まれ)190cm
→高校1年時に史上最年少で日本代表候補入りした大型ガード。
高校卒業後渡米、プレプスクールを経てNCAA二部のサザンニューハンプシャー大学1年生。

 


・杉本天昇(1998年7月20日生まれ)185cm
→言わずと知れた点取り屋。土浦日大→日大に進学。
U-19日本代表。大学以降どこまでの選手になるか注目。

 

・大倉颯太(1999年5月28日生まれ) 184cm
→全中制覇、去年2年時にWC3位に導いた北陸学院の3年。オールラウンダーのフォワード。このまま順調に成長すれば日本を背負うかもしれない逸材。

 

番外編
・横地聖真(2001年10月3日生まれ) 191cm
→全中で無双し、福大大濠の1年生ルーキーとしてインターハイで優勝したばかりの逸材。これからの伸びしろ次第だが、センス、身体能力は一級。

 

・田中バートン力(2002年5月4日生まれ) 186cm
NBAアカデミーキャンプにも呼ばれ実力を証明したスーパー中学生。アメリカ人とのハーフ。横地同様これからの選手だが、既に攻撃が多彩で今後注目の選手。高校は渡米か。

2-4 Bリーグのみどころ

 ■ 2016-2017シーズンをおさらい

NBLbjリーグが統合し、2016年にはじまったBリーグ。両リーグのチームは実際どちらが強くてどのくらいの差があるのか当初は色々と議論がありましたが、実際どうだったのか。簡単におさらいしたいと思います。

 〈ポイント〉

・旧NBL勢の強豪(5強)の強さが目立った。

勝利5割以上のチームは7/18チーム。

・チャンピオンシップは順当な結果。

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上記をみてもらえると分かる通り、勝率上位5チームが突出しました。この5チームとそれ以外のチームには明らかにレベルの差がありました。5強同士で勝敗を分け合っていることを除けばもっと顕著な数字になります。

〈5強以外からの敗戦数〉

5敗:東京

6敗:栃木、千葉

7敗:川崎

11敗:三河

そしてこの5強偏重の影響もあって、勝率5割を超えたのは7チーム。結果的に、チャンピオンシップもこの5強が中心となりシーズンの結果通りの結果に終わりました。シーズン後の移籍は活発ですが、この5強体制が大きく崩れることはなかなか考えにくいところです。

 

■ 昇降格による地区変更で東地区がより激戦区へ!

BリーグJリーグと同様にリーグの昇降格があります。結果的に強豪の多い東地区の2チームが降格したことで編成が変わり、2017−18シーズンは以下のようになりました。

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・5強のうち4つのチームが東地区。

・さらに渋谷も加えチャンピオンシップ出場の5チームが東地区。

・昨シーズンより交流戦が増えたとはいえ・・・

降格の2チームが東地区だったことで、レギュレーション通りに地区の再編成が行われましたが、これによって東地区の激戦地区度合いが高まりました。5強のうちの4チーム、しかも5強以外からの敗戦数が極めて低かったこの4チームが同じ地区になってしまいました。さらにSR渋谷も加わり北海道以外の5チームは全て強豪となっています。

昨シーズンよりも地区を跨ぐ交流戦の数は増えるものの東地区のチームには厳しいシーズンが待っています。しかし、裏を返せば毎試合非常にレベルの高い試合ができる&観れるので、選手としてもファンとしても悪いことばかりではないですし、何かと東地区が注目されることは間違いありません。

そして移籍や新加入の選手によりどのくらい勢力図が変化したのにも期待しましょう。

 

つづく・・・

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2-3 日本バスケの進む道

■ まずは3Pで勝てるように!

競技レベルを上げていく、日本が世界で勝てる国になっていくための要素として抑えておきたいのが、「3P(スリーポイント)」と「ピック&ロール」です。

3Pに関してはこちらで前述した通りです。世界的にその重要性は増していて全世界のゲームの1試合における3Pの割合は年々上がっています。日本においても高校生や中学生の試合に至るまで上がり続けています。

少し雑な表現ですが、3Pのスペシャリストであれば日本人が不利な体格差はそこまで関係しません。事実NBAのステフィン・カリーを始めとする3Pのスペシャリスト達は標準的な体格、小さな体格の選手が多いです。

この3Pの確率をとにかく上げていく。あらゆる距離やタイミングで、いろんな局面で3Pで点が取れるチームになれると得点効率が上がり一気に強くなります。この流れは日本にとって正直チャンス、鍛えない手はありません。

■ もう一つの重点戦略、ピックアンドロール

もう一つ抑えておきたいのが、「ピック&ロール」と呼ばれる戦術です。

以前にも書いた通り、チームは常により確率の高いシュートを選択します。より確率高くシュートを打つためにフォーメーションや戦術があるのです。その上で、一般的にシュートの確率を上げるアプローチは、ダンクやレイアップ、ゴール下などゴールからより使い場所でシュートを打つことと、相手のマークがない(弱い)状態、いわゆるフリーの状態や、ディフェンスとのミスマッチを起こすなど、より楽な姿勢でシュートを打つことです。そしてこのフリーの状態やミスマッチを起こす戦術として有効なのが、ピックアンドロールです。図解だと少し複雑になりますがこの戦略の基本を少し説明したいので、お付き合いください。

 

■ ピック(スクリーン)して進路をブロックし、フリーをつくる

まず①得点能力の高い選手がボールを持ちます。②の選手(比較的大柄なことが多い)が①にディフェンスする選手(あ)の進路をブロックすることをピック(スクリーン)と言います。下記【A】の動きです。そのタイミングで①の選手は(あ)のマークが外れる方向にドライブしてフリーの状態をつくります【B】。元々②の選手についていた(い)の選手が①の選手のケアをしたとしても、①(い) と ②(あ) の状態はミスマッチであることが多くなりチャンスが生まれます。

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■  スクリーナーが体を反転させてフリースペースへ動く(ロールする)

上の状態から①が得点を狙う場合もあれば、①の動きに対して元々②についていた(い)の選手がケアする場合おあります。(ディフェンスのスイッチ)【C】

【C】を踏まえてあるいは【C】を予測して②の選手がゴールに向けて体を反転させてフリースペースへ動き(ロールし)【D】、パスを受けてシュートするのが「ピック&ロール」です。

 

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 テキストで書いても必要以上に難しく感じてしまうので、ぜひ動画を観てもらえればと思います。以下はジャズというチーム(基本青系のユニフォーム)の12番(ストックトン)と32番(マローン)のプレー集です。

 ちなみにストックトンとマローンはジョーダンと同時代(主に90年代)の選手で、ともにNBAのレジェンドです。ストックトンNBA歴代最多の通算アシスト数、マローンは歴代2位の通算得点(ジョーダンより多い)という素晴らしい成績を残しています。それもこれもこの2人のピック&ロールが当時誰にも止められなかったからなのです。

■ 未だに人気の常套戦術

ストックトンとマローンの時代の前からこのピック&ロールはよく使われていたにも関わらず、その後いくつも応用は生まれながら未だにこの戦術は世界中で使われています。それだけ有効な戦術なのです。Bリーグの多くのチームや日本代表もこの戦術を使っているので観戦前になんとなく理解しておくとより一層楽しめると思います。

 日本代表は今まで比較的このピック&ロールが得意ではなかったのですが、合宿などでもかなり重点的に練習しています。シンプルでいてとても有効的なピック&ロールを身につけて国際大会でも発揮できれば得点効率の高い攻めができてくるはずです。

 

つづく・・・

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2-2 Bリーグに対する期待

■ 長い混迷の末にできたBリーグ

元々は実業団スポーツであった日本のバスケットボール。サッカーのプロ化(Jリーグ)とほぼ時を同じくして1990年代からプロリーグ化は検討されていました。90年代後半にはプロ契約選手も生まれ、2001年にはプロ化を睨んだ「JBLスーパーリーグ」が始まりました。しかし一向にプロ化の話は進まなかったことから、一部のチームが脱退し独自にプロ化を目指すこととなります。そうして2005年に生まれたのが「bjリーグ」です。JBLスーパーリーグは2007年に「JBL」、2013年には「NBL」と名称を変えプロ化を検討しつつも結局実施には至りません。結果分裂した状況が続き、FIBAからの「1国1リーグが望ましい。」という再三の注意にも応えることができず、混乱と低迷も相まって、ついに2014年にFIBAの会員資格無期限停止処分という制裁を与えられてしまいます。それを機に川淵さんを筆頭とした元サッカー界、野球界の方達が中心になって統合化を断行、そうしてできたのが「Bリーグ」です。

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■ 実力、競技志向のNBL、エンタメで活路を見出そうとしたbjリーグ

アメリカのNBAが優れているのは、競技性の高さの他に会場であるアリーナや試合中の演出、試合展開を面白くするためのルール設計などそのエンターテイメント性もあって、まさに競技とエンタメがバランス良くどちらも優れています。

日本の実業団NBLは競技志向のリーグでした。企業スポーツなので給料が安定して高く、大学以降も日本でバスケを続けるのであれば一番の選択肢になるのがNBLだったので、日本では一番レベルの高い選手が集まっていました。しかしリーグにもチームにもファンを大事にする感覚はほぼなく、試合会場にも選手の家族や関係者、企業の従業員が少し応援に来る程度、そのエンタメ性はゼロ、むしろチームによってはマイナスだった(エンタメ性を嫌っていた)といっても過言ではありませんでした。

一方、bjリーグはプロリーグですからファンや地域を大事に、NBAを見習って色々と試行錯誤を繰り返していました。しかし日本のトップ選手は基本的にNBLにいくためどうしても競技のレベルが低くなり、外国人の起用も積極的ではあったものの、やはり高い報酬が払えないこともあってそこに問題がありました。

■ Bリーグの設立にあたっての3つの使命

Bリーグが設立されるにあたっては以下の3つの使命が発表されました。

  • 世界に通用する選手やチームの輩出
  • エンターテイメント性の追求
  • 夢のアリーナの実現

上に挙げた競技力の向上とエンターテイメント性を両方共追求していくことが明記されています。ただ、どちらもとても重要であること、両輪であることは確認できるものの、どちらがより重要か、どちらが先に来るものか敢えて定義するとすれば、前者の「とにかく日本の競技のレベルを上げる」ということだと思っています。サッカーの競技レベルの向上がサッカーの日本における文化定着を引っ張ったように、バスケットも強い国になっていく、そうしてエンタメ性も高め魅力あるリーグにしていく、そのために必要なことをやっていくという決意に改めて期待したいと思います。

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つづく・・・

 

〈参考〉

B.LEAGUEの使命 - B.LEAGUEとは - B.LEAGUE(Bリーグ)公式サイト

 

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2-1 日本バスケの現在地

■ 日本のバスケはどんなもの?

日本では2016年に待望のバスケットボール統一リーグ「Bリーグ」が誕生しました。ちょうど1シーズンが経過したところで、長い目で見ればまだ野球、サッカーに次ぐプロスポーツとしてまさに今旅立たんとしているところです。そして最初に伝えておきますが、間違いなくこれからの日本のバスケの未来は明るいと思っています。

実はバスケットボールは男女ともに盛んということもあり、その競技人口(約4.5億人)はサッカー以上で世界一とも言われています。

その中でもアメリカのNBAがすごい、強いというのは知っている方も多いとは思いますが、他の国のバスケ、その中での日本のバスケの現在地、そして未来が明るいこれからの日本のバスケについて紹介していきたいと思います。

■ 日本の世界ランクは48位、アジアでも10番目くらい(※2017年8月現在)

FIBA(国際バスケット連盟)によるバスケットの日本の世界ランクは現在48位。正直そこまで国際試合も多くないので、実のところどのくらいの位置にいるのかは正確にはわかりませんが、およそ35位〜60位くらいといった感じが現在地かと思います。しかもアジアの中でも現在8番目という、とても世界の競合とはいえない位置にいます。(下記はアジア内のランキング)

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※【補足】ちなみに女子の方は全体で13位、アジアの中でもオーストラリア、中国に次ぐ順位となっていて、準強豪国といったところです。

■ 世界のバスケの強豪をざっくり把握しましょう。

世界のバスケの頂点はもちろん発祥の国アメリカです。今まで世界大会でアメリカが破れたことはありますが、アメリカよりこの国が強い!と客観的に思われたことは一度もありません。それくらい絶対の国です。果たして今後ひっくり返す国があるのでしょうか。ファン心理的にもなかなか難しいところだとは思いますが、いつかその日が来るのが楽しみです。

アメリカの次のランクにはスペインや旧ロシア、フランスなどを代表するヨーロッパの強豪国がいます。中でもスペインはバスケが盛んで、プロリーグも盛り上がっていると聞きます。さらにアルゼンチンを筆頭に南米にもとても強い国があります。

 その次のランクにオーストラリアと中国が挙げられます。長年アジアでは中国が圧倒的な強さを誇る国でしたが、最近オーストラリアがアジアエリアに入らんとしており、この2つの国がアジアでずば抜けた国になることになります。

そして、北中米やアフリカの強豪国と続き、他のエリアの中堅国を経てようやくアジアの中堅②グループあたりに日本がいるようなイメージです。

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 ですので、これから日本は少なくとも3つくらいの壁を越えていきたいところです。

 

つづく・・・

 

〈参照データ〉

NIKE FIBA World Ranking, men - FIBA.basketball

 

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1-5 NBA新時代を盛り上げるライバル達 その2

ギリシャから来た規格外「ヤニス・アンテトクンポ」

アンテトクンポは1994年生まれのアフリカ系ギリシャ人。2013-2014シーズンに突如としてNBAに現れ、ついにその才能がいままさに爆発しようとしている注目の選手です。その長い手足はNBAのコートでも際立ち、桁外れの身体能力で観るものを飽きさせません。2016-17にはオールスターのスターターにも選ばれ、5つの主要なスタッツ(得点、アシスト、リバウンド、スティール、ブロック)全てでチームトップ、そしてその全てがリーグTOP20に入るというNBA史上初の偉業を成し遂げました。まだ少しムラがありますが、このまま成長すればリーグを代表する、もしかしたらNBAの歴史を変えるまでの選手になる可能性も十分にあると思っています。

 

■ 脅威のFG%、基本ダンクのイメージは超人ハルク「デアンドレ・ジョーダン」

デアンドレ・ジョーダンはNBAを代表するセンター。ブロックやリバウンドが得意な選手で、ビッグマンにも関わらず抜群の身体能力を兼ね備えています。強烈なダンクはリーグでも屈指で、すごいダンクが観たいならジョーダンのダンクはまずおすすめできます。今まで挙げたプレイヤーと違いそれほど多くの得点をする選手ではないものの、フィールドゴールの成功率が5年連続でリーグトップ、2016-17シーズンのその確率は(もちろん唯一の)70%を超えるという驚異的なスタッツで、キャリア平均でも約68%、このままいけば史上最高かつ圧倒的なフィールドゴール確率(唯一の60%超え)になることは間違いありません。これはほぼ全てのシュートがゴール下か(強引な)ダンクなのと、クリス・ポールというリーグ屈指のパスの出し手がいるから成されていることなのですが、ポールは来季よりロケッツへ移籍するので今後どうなるのか見ものなのと、ジョーダンは正直、いわゆるシュートが極端に下手でフリースローでさえ40%程度しか入りません。故に彼を止めるにはファールすれば良い、でもそれでも強引にダンクができるパワーがあったりするので、観ていて面白い選手です。

 

小さな巨人をお探しなら「アイザイア・トーマス」

身体の小さな選手がお好みならトーマスです。その身長は175cm。一般的な日本人とほとんど変わりません。しかしその身体能力を活かしたプレーとアウトサイドシュートを武器に、NBAでも屈指のスコアラーとして成長し、史上最低身長の得点王になれるかも注目されています。勝負強さも特徴で、試合の終盤や重要な局面でこそ力を発揮するプレーはスターの素質を感じさせます。NBA最多優勝を誇る名門セルティックスの復権は彼にかかっています。セルティックスは2017-2018シーズン前にゴードン・ヘイワードというオールスタープレイヤーとの契約にも成功しました。強力デュオがどこまでいけるのか注目です。→なんとその後キャブスのエースガードのアービングとトーマス+αのトレードが発表されました。なので、トーマスは2017-2018シーズンはレブロンとタッグを組むことになります。

 

■ カナダ生まれのネクストスーパースター候補「アンドリュー・ウィギンス」

ウィギンスは父は元NBA選手、母も陸上の元オリンピック選手というカナダ生まれのアスリートサラブレット、学生時代から注目され2014-2015シーズンドラフト1位でNBA入り、同年見事に新人王に輝いています。その後も順調に成長をし、次なるスーパースターに向かって邁進中です。特筆すべきはそのオフェンス力で多彩な攻撃が魅力、アウトサイドのシュートやディフェンスなどにまだ少し課題はありますが、これからが非常に楽しみな選手です。さらにウィギンスの所属するウルブズは今までのチームメイトのタウンズ(2015-2016新人王)とのヤングパワーを軸に2017-2018シーズンには大型補強を敢行。いよいよチームの上位化が期待できそうなチームになってきています。

 

■ 何よりもチャンピオンリングを選んだ男「ケビン・デュラント」

デュラントはカリーのチームメイトなのでライバルではないのですが、どうしても紹介しないわけにはいきません。彼はレブロンやカリーにも劣らないほどのNBAを代表するスーパースターで、今まで新人王、史上最年少の得点王、MVPなど数々の賞を受賞しています。元々は自分が中心のチーム(ウェストブルックが所属するサンダー)で優勝を目指していましたが、2016-2017シーズン前に移籍を決断。カリーを始めとするスター集団であったウォーリアーズにスーパースターであるデュラントがさらに追加することになり、「強くなりすぎてリーグがつまらなくなる!」「スターが多すぎで逆に機能しないんじゃないか!?」などNBAファンの間でも物議をかもしました。

しかし蓋を開けてみればデュラントはしっかりチームにフィットし、史上最強とも呼ばれるチームとなって、見事ウォーリアーズがNBAファイナルを制覇し、デュラントがファイナルのMVPに輝きました。カリーとデュラントの2大柱が続く限りウォーリアーズが優勝戦線から外れることは考えにくいです。最強のチームから観たいならやはりウォーリアーズです。

 

今のNBAを観始める上での予備知識はこんなところで十分!興味わいたら是非みてみてください。

 

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1-4 NBA新時代を盛り上げるライバル達 その1

レブロンとカリーを中心にまわるNBA。だけど、だけじゃない!

ここ3年のNBAファイナルは史上初めて同チームの同一カード。もちろんレブロン・ジェームズとステフィン・カリーのチームです。(レブロン所属するキャバリアーズの1勝、カリーの所属するウォーリアーズの2勝) この2人が現在のNBAの2つの中心であることは間違いありません。しかし強烈なライバルや新しいスター候補達がこの2つの牙城を崩そうとしているのも事実。2人以外の個性あふれるスターも少し紹介させてください。

 

〈いままでのおさらい〉

マイケル・ジョーダンはバスケットにおける空前絶後のスーパースター。

ジョーダン引退後バスケ界は盛り上がりに欠けていたが、最近ようやく盛り上がってきた。

レブロンとカリーという2人のスターが現在のNBAの中心。

・特にカリーはバスケ界に3Pという新しいトレンドをもたらしている。

・より高い確率のシュートと得点効率が戦術を決める上で最も重要な指標。

 

■現役最強のオフェンス個人商店「ラッセル・ウェストブルック」

まず紹介したいのはウェストブルックです。バスケットでは1試合で2つ以上二桁の記録をした場合、(例えば10得点、10リバウンド以上) 、『ダブルダブル』といわれ讃えられます。同じように3つ以上の二桁記録の場合は、(例えば10得点、10アシスト、10リバウンド以上)、『トリプルダブル』となります。本来であればめったに出ない記録なのですが、ウェストブルックはこのトリプルダブルの記録をなんとシーズンの平均を通じて成し遂げるというNBA史上2人目の偉業を達成するとともに得点王にも輝き、2016−17シーズンのMVPを受賞しました。

身長は低い選手(191cm)ですが、スピードとバネ、精神力が尋常でなく、とにかく敵陣に入り込んでいくので見ていて飽きません。漫画やドラマの世界にいそうな選手です。個人的な能力は誰もが認めるところなので、これで来季以降チームの成績がついてくれば、彼の時代が来るかもしれません。彼の所属するサンダーは2017-18シーズン前に大きな補強に成功しています。

 

■ シックスマンから這い上がった髭レフティ「ジェームス・ハーデン」

ハーデンは2016-17シーズンのMVPの座をウェストブルックと競い、ファンの間でも最後まで議論されるほどの活躍をした選手です。アシスト王にも輝き、平均得点はウェストブルックに次ぐ2位、3Pの成功数も3位とウェストブルックに負けず劣らずオールラウンドの活躍をし、チームも上位進出に導きました。

ハーデンは元々ウェストブルックがいるサンダーの控え選手でした。ポテンシャルは認められていたもののスターターを勝ち取れず、評価と待遇に不満を持ち2012-13シーズン前に今のチーム(ロケッツ)に移籍し、チームの中心選手となりました。そして先日、(2017-18シーズンの前)に4年1億1800万ドルという破格の延長契約を勝ち取ったのです。さらにロケッツにはクリス・ポールというリーグ屈指のPGが加入することになり、ウェストブルックのサンダー同様、2強を脅かすチームになるかもしれません。

 

NBA現役最高のツーウェイプレイヤー 「カワイ・レナード」

オフェンスもディフェンスも一流のプレイヤーをツーウェイプレイヤー(two-way-player)といいますが、現役最高のツーウェイプレイヤーと言われているのがレナードです。レナードは2011年にNBA入りした若手(1991年生まれの26歳)で、名門スパーズで順調に成長を重ね、2013-14シーズンにはNBAファイナル制覇(個人としては22歳という若さでファイナルMVP)、2014-2015、2015-2016シーズン連続で最優秀守備選手賞、ここ数年得点ランキングでもリーグTOP10に入るなどまさにツーウェイプレイヤーの活躍で、MVP投票でもここ2年連続でTOP3に選ばれています。

(レナードのシューズがジョーダンブランドであることもありますが、)神様マイケル・ジョーダンもレナードがお気に入りで、「レナードはレナードから得点は奪えない。」「現在のツーウェイプレイヤーとしてはレナードがベストだ。」と評価されています。コートの外ではおとなしい玄人好みの選手ですが、MVPと最優秀守備選手W受賞の日も近いかもしれません。

 

その2につづく・・・

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